くせ毛におすすめのシャンプーとは?髪のダメージ状態&普段のスタイリングに合わせた選び方

くせ毛におすすめのシャンプーとは?髪のダメージ状態や普段のスタイリングに合わせた選び方

パサついてまとまらない!

うねるくせ毛を扱いやすくしてくれるシャンプーって?

そんなくせ毛さんが使いやすいシャンプーはどんな条件をクリアしたものなのでしょうか?

くせ毛は普段のスタイリングやそもそもの髪質でマッチするシャンプーが変わるんです。

毛髪診断士がくせ毛におすすめのシャンプーについて解説します。

\ 監修はこの人 /
    毛髪診断士 遠藤 颯
    • 毛髪診断士
    • 遠藤 颯
    • 毛髪診断士。Webメディアにおいて6年間記事監修を務める。
      10点以上のヘアケア&美容アイテムのプロデュース経験も。

どんなシャンプーを選べば良いの?まずはくせ毛の髪質を知っておこう!

くせ毛のためのシャンプーって?まずはくせ毛を知るところからスタート!
くせ毛のためのシャンプーって?まずはくせ毛を知るところからスタート!

くせ毛のためのシャンプーを選ぶには、まずくせ毛をよく知る必要があります。

うねる、広がるだけでなくパサつきも目立ちやすいくせ毛は、まっすぐな直毛とどう違うのでしょうか。

なぜ梅雨や夏の湿気でうねりが強くなって、冬に乾燥するとパサパサになってしまうのか。

くせ毛のお悩みについて解説します。

くせ毛はどういう髪の毛?知ることでシャンプーに何が必要か見えてくる

髪のうねりやパサつきに悩まされるくせ毛には、生まれつきの「先天性」と他の原因でくせ毛になる「後天性」があります。

生まれつき、すなわち遺伝によるくせ毛は以下の4種類。

  1. 波状毛(はじょうもう)
  2. 縮毛(しゅくもう)
  3. 捻転毛(ねんてんもう)
  4. 連珠毛(れんじゅもう)
くせ毛の種類とその図
くせ毛の種類とその図

このうち、日本人に最も多いのは波状毛です。

波状毛のうねりは小さなものから大きなものまで人によって違っていて、大きめのうねりだとくせ毛だと気づかない方もいるほど。

生まれつきのくせ毛になってしまう根本的な原因は、現在はっきりとは解明されていません。

ただし、くせ毛は頭皮の毛穴(毛球部)に歪みがあり髪内部の構造も明らかに違っています

まっすぐな直毛とくせ毛の毛穴を調べてみると、直毛がまっすぐな毛穴になっているのに対し、くせ毛の毛穴には歪みがあるため生えてくる時点で髪がうねると言われています。[1]

髪内部の構造についても直毛と比較してみましょう。

くせ毛と直毛の毛髪内部構造の違い
くせ毛と直毛の毛髪内部構造の違い

髪の毛は芯となるメデュラ、そのメデュラをコルテックスという繊維状のタンパク質が囲み、一番外側をウロコ状のキューティクルが守るように包んでいます。

コルテックスには水分を吸収しやすい「親水性のO-コルテックス」と、水分をはじく「疎水性のP-コルテックス」の2種類があり、直毛の髪を見てみるとこの2つのコルテックスがバランスよく配置されています。

一方、くせ毛内部の2つのコルテックスはアンバランスで、親水性のO-コルテックスが偏って配置されていることがうねりの原因に。

雨の多い梅雨や夏になると、空気中の水分を含むことでO-コルテックスが膨張、髪に歪みができて強いうねりを生み、手触りもゴワゴワになります。

反対に、冬になって空気が乾燥すると、パサついて見えることも。

季節ごとの悩みまである生まれつきのくせ毛。

実はシャンプー&トリートメントを使っただけではストレートな髪にはなりません。

スタリングをすることでストレートな髪型をつくる必要があります。

くせ毛をストレートにスタイリングするアイテム記事」はこちらをチェック!

そのためには、髪質に合わせてスタイリングしやすい状態にもっていくシャンプーが大切です。

もう1つのくせ毛、後天的なうねりの原因は髪へのダメージの蓄積や加齢による髪質変化によるもの。

おうちでの間違ったホームケア、例えば濡れた髪をそのままにして自然乾燥させたり、タオルで髪をゴシゴシ強くこすると髪は傷みます。

また、ブリーチやヘアカラーも髪へのダメージは大きく、施術後には髪の状態に合わせたヘアケアが必要になります。

ダメージが蓄積し続けると髪は弾性を失ってしまい、うねるように。

ヘアダメージに関しては「あなたの髪のダメージレベルはどのくらい?一度傷んだら戻らないって本当?毛髪診断士が解説」でダメージレベルをチェックしてみましょう。

その他にも30代後半から40代にかけて起こる髪質変化が起こると、髪にハリ・コシを与える女性ホルモンの分泌量が減少、細く弱くなる髪も後天的なくせ毛の原因になります。

加齢で変わる!女性の髪質変化について」をぜひ参考にしてみてくださいね。

40代、50代になって髪のパサつきを感じるようになったら髪質に合わせたシャンプーを選びつつ、健やかな状態を維持しましょう。

パサついてまとまらない髪を扱いやすくするシャンプーとは?

プリュムシャンプーを使って乾かした状態
プリュムシャンプーを使って乾かした状態

くせ毛はパサついてうねり、広がってまとまりにくい特徴があります。毎朝、くせ毛のヘアセットに時間がかかってしまうことにお悩みの方も少なくありません。

そんなパサついてまとまらないくせ毛におすすめなシャンプーは、しっとりとまとまりやすい髪に導いてくれるもの。

アミノ酸系、ベタイン系の洗浄力がマイルドなシャンプーなら、毛髪と頭皮のうるおいを維持するために必要な「皮脂」を適度に残してくれます。

適度なうるおいのある、扱いやすいくせ毛を目指すためにおすすめのシャンプーと言えます。

しかし、これはあくまで一般的なくせ毛のお話。

髪の毛には細くて柔らかい軟毛もあれば、太く硬いしっかりした剛毛もあります。

髪色を変えるためブリーチやヘアカラーをしている、毎日のヘアセットにストレートアイロンを使ってうねりを伸ばしている方もいて、それぞれにおすすめなシャンプーには特徴があります。

くせ毛の度合い×髪質×普段のスタイリング次第でおすすめのシャンプーは変わる

おすすめのシャンプーはくせ毛の度合や普段のスタイリング方法によって変わる
おすすめのシャンプーはくせ毛の度合や普段のスタイリング方法によって変わる

髪質やスタイリングごとにくせ毛と組み合わせた場合のお悩みにはどのようなものがあるのでしょうか。

それぞれにおすすめのシャンプーをご紹介します。

髪質が細い「猫っ毛&軟毛くせ毛」におすすめのシャンプー

「猫っ毛」「軟毛」のくせ毛さんは、うねりを活かすことでボリュームを出したヘアスタイルやナチュラルなパーマ風のヘアスタイルにすることができます。

髪に自然なボリュームを出すために必要なのはハリとコシ。

以下の成分が含まれたシャンプーを選ぶとしっかりとした髪に導くことができます。

ハリとコシを出す成分一例

  • ケラチン:髪を構成するタンパク質
  • コラーゲン:髪に潤いを与えてコシを出す
  • ゼイン:キューティクルを保護、髪にハリとコシを与える

シャンプーを選ぶときは成分表にこのどれかが含まれたものを探してみてくださいね。

太く硬い剛毛&くせ毛はどんなシャンプーが良い?

髪が「太くて硬い」しっかりしている「剛毛」のくせ毛さんの場合、お悩みは膨らんで広がる、まとまらない髪。

まとまりやすくするためにはしっとりと保湿ができるシャンプーを探してみましょう。

天然植物由来成分のオイルは質感がしっとりしているので、太めの髪でもしっとりした使用感。

しっとり感のあるオイル一例

  • ホホバオイル
  • アルガンオイル
  • マカデミア種子油
  • オリーブ油

くせ毛のうねりも抑えてパサつきのないツヤとまとまりのある髪を目指しましょう。

ブリーチやヘアカラーでダメージを受けたくせ毛のシャンプーの選び方

ブリーチやヘアカラーは髪へのダメージが大きな施術です。

くせ毛に加えてヘアダメージを受けた髪は、とても扱いにくい状態になっているはず。

そう考えると、シャンプーによるヘアダメージを最小限位抑えるために、ファーストチョイスとして「アミノ酸系」「ベタイン系」のものが良いでしょう。

これらのシャンプーはサロン品に多く、ハイダメージの毛髪でも指通りが良い質感に。

トリートメントもしっかり毛髪補修できるものを選ぶと良いでしょう。

ダメージ補修成分の一例

  • ケラチン:髪を構成するタンパク質
  • ヘマチン:損傷したキューティクルを補修し、ハリとコシを与える
  • グリセリン:ぱさつきがちな髪を保湿する
  • ベヘントリモニウムクロリド:指通りをよくするコンディショニング成分

ストレートアイロンでダメージを受けたくせ毛におすすめのシャンプー

くせ毛のうねりを毎日、ストレートアイロンを使って伸ばしていると熱で傷めてしまうことがあります。

頻繁にヘアアイロンを使用するなら、「熱の力でダメージ補修」できる成分が含まれたものを使用すると良いでしょう。

熱の力でダメージ補修する成分一例

  • γ‐ドコサラクトン:ドライヤーやヘアアイロンなどで熱を加えることで髪のアミノ基と結合
  • メドウフォーム-δ-ラクトン:ドライヤーやヘアアイロンなどで熱を加えることで髪のアミノ基と結合

くせ毛用の「市販品」or「サロンシャンプー」何が違う?

サロン品はプロフェッショナル仕様
サロン品はプロフェッショナル仕様

シャンプー選びをしていると市販品とサロンシャンプーという2つの選択肢に悩みますよね。

基本的にサロンシャンプーの方が市販品よりも価格は高め。

でもその値段ほどの価値がサロンシャンプーにあるのか気になりますよね。

どこでも簡単に購入できる市販品シャンプーと美容室やオンラインでしか買えないものの多いサロンシャンプーの違いについて解説します。

市販品のくせ毛シャンプーを選ぶメリットとデメリット

最初に断言すると、市販品シャンプーは安いかといって悪いものではありません。

大手メーカーは大量に生産することで、どこでもリーズナブルな価格で購入できるようにシャンプーを作っています。

大切なのは自分の髪質や髪の状態に合ったものかどうか。

くせ毛×髪質や普段のスタイリング方法にマッチした成分が含まれているものがあれば、市販品のくせ毛シャンプーをぜひ試してみてくださいね。

市販シャンプーのデメリットは、あくまで対象が幅広いターゲットのために作られているため、自分の髪に合ったシャンプーが見つかりにくいことです。

サロンシャンプーはプロフェッショナル仕様

美容室で使われているくせ毛のためのサロンシャンプーは、髪を扱いやすくするために作られたプロフェッショナル仕様のもの。

デメリットとしては市販品と比べて価格が高くなること。

300〜500mLで3,000〜6,000円ほどのお値段。

うねりやパサつきを抑えるための成分が贅沢に配合されているものも多くあります。

また、使用感の違いによって種類が豊富にあり、自分の髪質に合ったものを選ぶことができるのが最大の魅力です。

今のくせ毛のヘアスタイル&髪の状態に合わせたシャンプー選びを

くせ毛の基本的な髪の悩みは「パサつく」「うねる」「広がる」「まとまらない」。

とはいえ、くせ毛さんは髪が細いor太い、ブリーチやヘアカラーをしている、ストレートアイロンを使い続けているなど髪の状態はさまざま。

それぞれに抱えるのお悩みは異なり、おすすめのシャンプーも同じように異なるものです。

自分の髪質、ダメージ具合に合ったシャンプーは市販品の中に見つかることもあれば、サロントリートメントでなければ解決できないこともあります。

髪のダメージはどのような状態なのか?

普段どのようなスタイリングをしているのか?

これらを確認した上で、自分にぴったりのシャンプーを見つけてくださいね。

※本記事内の成分および製品に関する意見は個人の見解であり、効果を100%保証するものではありません。

参考文献

[1] 新ヘア・サイエンス 第2版