酸熱トリートメントって何?その仕組みとメリット&デメリットについて

酸熱トリートメントって何?その仕組みとメリット&デメリットについて

ここ数年SNSやサロンで目にする「酸熱トリートメント」や「髪質改善メニュー」。

そもそも、酸熱トリートメントってどんなものなの?そんな方へ。

今回はサロンにおける髪質改善メニューのひとつ、酸熱トリートメントについて解説します。

プリュムヘアケアPLUME HAIR CARE

酸熱トリートメントの仕組み

\ 教えてくれたのは /
    ヘアメイクアーティスト 江川 徹
    • ヘアメイクアーティスト
    • 江川 徹@tooru_f.hair_salon
    • 縮毛矯正、髪質改善が得意な東京・錦糸町を中心に活躍するベテラン。
酸熱トリートメントのイメージ図
酸熱トリートメントのイメージ図

傷んだ髪を補修したり、ヘアダメージによって失われてしまったハリやコシを与えてくれる酸熱トリートメント。

その仕組みを解説します。

酸熱トリートメントとは、毛髪のシスチン結合が失われてダメージホールが出来てしまった部分を埋めるような施術です。

  1. 髪に薬剤を塗布して酸とアミノ基を染み込ませる
  2. ヘアアイロンの熱で脱水縮合させる
  3. アミノ基をイミノ基に変えてイミン結合をつくる※
  4. イミン結合が失われたシスチン結合の代わりになる

※酸の種類によっては結合の種類が変わります

髪の毛内部構造を支えていた橋が壊れてしまったところに、新しい橋をつなげるイメージです。

熱を加えない場合もある

酸熱トリートメントといっても、全てが熱を加える施術というわけではありません。

サロンによっては、シャンプー前に塗布したり、ヘアカラーの薬剤一緒に使用することで、髪にハリと艶を与えることがあります。

ここは各美容師によって得意分野がありますから、事前に確認すると良いでしょう。


酸熱トリートメントに使われる酸の種類

\ 監修はこの人 /
    毛髪診断士 遠藤 颯
    • 毛髪診断士
    • 遠藤 颯
    • 毛髪診断士。Webメディアにおいて6年間記事監修を務める。
      10点以上のヘアケア&美容アイテムのプロデュース経験も。

基本的に、酸熱トリートメントの「酸」には以下の6つの種類があります。

  1. グリオキシル酸
  2. レブリン酸
  3. サリチル酸
  4. グリコール酸
  5. ジカルボン酸
  6. マレイン酸

※例外としてグリオキシル酸にはその他の酸と掛け合わせたハイブリッドタイプもあります。

いずれも髪内部に架橋を作り、傷んだ髪を補修できることに変わりはありません。その他の部分について、それぞれの特徴を解説します。

グリオキシル酸での酸熱トリートメントの特徴

メリット&デメリットは以下の通りです。

グリオキシル酸のメリット

  • 結合強く、しっかりした仕上がり
  • 弱めのくせ毛なら少し伸びる

グリオキシル酸のデメリット

  • 髪が硬くなる場合がある
  • 酸っぱい独特の匂いがする
  • カラーが色落ちすることがある
  • パーマが取れることがある

レブリン酸での酸熱トリートメントの特徴

メリット&デメリットは以下の通りです。

レブリン酸のメリット

  • 結合がマイルドで髪が硬くなりにくい
  • 匂いが少なめ
  • カラーの色が落ちにくい
  • パーマが取れにくい

レブリン酸のデメリット

  • 効果を実感しにくいことがある
  • くせ毛はグリオキシル酸ほどは伸びない
  • もちが良くない

サリチル酸での酸熱トリートメントの特徴

メリット&デメリットは以下の通りです。

サリチル酸のメリット

  • 結合がマイルドで髪が硬くなりにくい
  • 匂いが少なめ
  • カラーの色が落ちにくい
  • パーマが取れにくい

サリチル酸のデメリット

  • 効果を実感しにくいことがある
  • くせ毛はほとんど伸びない
  • もちが良くない

グリコール酸での酸熱トリートメントの特徴

メリット&デメリットは以下の通りです。

グリコール酸のメリット

  • 結合がマイルドで髪が硬くなりにくい

グリコール酸のデメリット

  • 効果を実感しにくいことがある
  • くせ毛はほとんど伸びない
  • カラーが色落ちすることがある
  • パーマが取れることがある

ジカルボン酸での酸熱トリートメントの特徴

メリット&デメリットは以下の通りです。

ジカルボン酸のメリット

  • 結合がマイルドで髪が硬くなりにくい
  • 色々な場面で使えるオールマイティーな成分

ジカルボン酸のデメリット

  • 効果を実感しにくいことがある

マレイン酸での酸熱トリートメントの特徴

メリット&デメリットは以下の通りです。ジカルボン酸と似ています。

マレイン酸のメリット

  • 結合がマイルドで髪が硬くなりにくい
  • 色々な場面で使えるオールマイティーな成分

マレイン酸のデメリット

  • 効果を実感しにくいことがある

酸熱トリートメントのメリット&デメリット

酸熱トリートメントのメリットデメリットについて知る
酸熱トリートメントのメリットデメリットについて知る

酸熱トリートメントは髪質改善メニューとして傷んだ髪に悩む多くの方から選ばれるようになりました。

なぜ酸熱トリートメントは人気があるのでしょうか?

そのメリットとデメリットそれぞれを解説します。

酸熱トリートメントのメリット

髪が傷んでパサつくようになった時に酸熱トリートメントをするメリットには以下が挙げられます。

  • トリートメントを受けた状態が1か月近く続く
  • 表面をコーティングするのではなく内側から髪を変えることでハリやコシ、ツヤが出る
  • ボリュームが出やすい髪がまとまりやすくなる

髪質改善メニューの中には髪の表面をコーティングするサロントリートメントもありますがこちらは持続期間が長くて1週間程度。

酸熱トリートメントはもののよっては、1か月近く髪がさらさらで指通りの良い状態になることも。

また、髪内部に架橋を作るため、傷んでしまった髪を内部から補修してなめらかな状態へと導いてくれます。

ダメージを受けてパサつく、広がるようになった髪にツヤが出てまとまりやすくなるのが酸熱トリートメントのメリットです。

酸熱トリートメントのデメリット

良いところの多い酸熱トリートメントには、注意しておかなければならない、デメリットもあります。

  • 健康な髪には意味がない
  • くせ毛を伸ばすための施術ではない
  • カラー剤との相性が悪いと色が落ちる
  • 髪が硬くなることがある
  • 施術後に独特な匂いがするものも
  • 料金が高く複数回の施術が必要

酸熱トリートメントは健康な髪には効果がありません(ダメージホールができていない髪には意味がありません)。

弱いくせ毛は酸の種類によってはまっすぐな状態に伸びることもありますが、基本的にうねる髪を伸ばすための施術ではありません。また、髪の毛が硬くなってしまったということもあります。

髪色を染めている場合、アルカリ性ヘアカラーを使っていると酸熱トリートメントの酸との相性が悪いため、色落ちしてしまう可能性も。

酸熱トリートメントに使う酸の種類によっては施術後に独特な匂いがつくものがあります。

髪の傷み具合にもよりますが、酸熱トリートメントは複数回行う必要があります。ダメージが大きいほど回数は増えます。

1回あたりの施術の料金があまりお安くない点も酸熱トリートメントのデメリットになりますね。


酸熱トリートメントが向いている人

傷んだ髪を内側から補修する酸熱トリートメントにも向き、不向きがあります。

どのような髪の状態に向いているのでしょうか。

酸熱トリートメントに向いている髪その1:ダメージを受けている

パーマやブリーチ、ヘアカラーなどの施術を受けてダメージを受けてしまった髪にこそ酸熱トリートメントはおすすめです。

髪が傷んでしまい内部にダメージホールができたところを酸熱トリートメントで架橋を作ることでハリ、コシを取り戻します。

ダメージの蓄積具合で酸熱トリートメントの施術回数も変わります。

髪が傷んでパサついてきたかな?と思ったら酸熱トリートメント含め、髪質改善の方法を美容室で相談してみましょう。

酸熱トリートメントに向いている髪その2:柔らかくて細い軟毛

髪が柔らかく、いわゆる猫っ毛タイプの軟毛さんにも酸熱トリートメントは向いています。

ボリュームが出にくい柔らかい髪にハリやコシが出ることでトップやサイド、後頭部のふんわり感を維持しやすくなります。

酸熱トリートメントに向いている髪その3:髪質変化の起こったエイジング毛

年齢を重ねることで人は身体だけでなく髪質も変わっていきます。

40代頃には女性ホルモンの分泌量が減少し、髪のハリやコシが失われ、細く弱くなりはじめます。

加齢による髪質変化が起こった髪をエイジング毛といいます。

酸熱トリートメントはエイジング毛でお悩みの方にもおすすめの施術です。


酸熱トリートメントが不向きな人

酸熱トリートメントが向いていない髪質についてもご紹介します。

酸熱トリートメントに不向きな髪その1:健康な髪

髪が傷んでしまいダメージホールが出来ているからこそ酸熱トリートメントは意味を持ちます。

健康な髪に酸熱トリートメントは意味がありません。

酸熱トリートメントに不向きな髪その2:太くて硬いしっかりとした剛毛

髪の毛がしっかりとしている剛毛タイプの方には酸熱トリートメントをおすすめできません。

太くて硬いしっかりした髪に余計な架け橋が出来てしまうとゴワゴワ、ギシギシの無駄に硬い髪になってしまうのでご注意ください。

酸熱トリートメントに不向きな髪その3:強いくせ毛

酸熱トリートメントには弱いくせ毛を伸ばせるタイプのものもありますが、いわゆるくせ毛のうねりを直すための施術ではありません。

くせ毛をサラサラ、まっすぐに伸ばしたい場合は縮毛矯正を選びましょう。

強いくせ毛でもまっすぐに伸ばせる唯一の施術です。

酸熱トリートメントに不向きな髪その4:カラーリングをしている髪

髪色を変えるカラー剤にはアルカリ性から、酸性まで様々なタイプが用意されています。

ヘアカラーや白髪染めはアルカリ性のものが一般的ですが、酸熱トリートメントとは相性が良くありません。

カラーリングをしている場合はどのようなカラー剤を使って髪を染めたのかを美容師さんにあらかじめ相談しておきましょう。


酸熱トリートメント成分を含んだホームケアトリートメントもある

おうちで"サロン酸熱"クオリティーを
おうちで”サロン酸熱”クオリティーを

酸熱トリートメントの成分を配合したホームケア製品は少しずつですが、市場に出回るようになりました。

美容師が使うようなプロフェッショナルな薬剤ではなく、一般的なヘアマスクやヘアトリートメントに酸熱トリートメントの「酸」を配合したものです。

使い方は一般的なトリートメント同じです。

髪を乾かした後、ヘアアイロンをすることで、毛髪補修効果および髪の指通りが良くなる製品もあります。

ホームケアトリートメントに含まれる酸の種類

  • グリオキシル酸
  • レブリン酸
  • サリチル酸

など


酸熱トリートメントって?まとめ

ここ数年話題の酸熱トリートメント。

その使用感は賛否が分かれますが、一般的なトリートメントとは少し違ったアプローチでヘアダメージの補修をする比較的新しいヘアケア方法です。

サロンで酸熱トリートメントを行う場合は、美容師さんとよく相談してから行うことをおすすめします。

また、プロフェショナル品ではないものの、おうちで簡単に使える酸熱トリートメント成分配合のヘアケアアイテムも少しずつですが、発売されるよになりました。

まずは、酸熱トリートメントを試してみたい!という方は、ホームケア品から使ってみるのもありです。