
ヘアセットに使うスタイリング剤、ムースとワックスは使い方も作りたい髪型も別モノです。
現役美容師さんにムースとワックスの違いや使い分け、一緒に使うときのポイントを解説してもらいました。
自分の目指すヘアスタイル作りにはそれぞれをどう使えば良いのか、チェックしてみてくださいね。
- ヘアメイクアーティスト
- Genki@geeeeenkii
- 渋谷CALAMARIの代表。
ブリーチやカラー、似合わせカットが得意。

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人気のスタイリング剤、ムースとワックスの特長と使用方法について
代表的な髪のスタイリング剤、ムースとワックス。
ドラッグストアやコンビニ、スーパーで購入できる市販品だけでなく、サロン・美容室でもオリジナルの商品を提供しており、その種類は数えきれないほど。
まずは整髪料としてムースとワックスにそれぞれどんな特徴があるのか説明します。
主に水とアルコールから作られている泡状のムース
ムースとは、水とアルコール(エタノール)のエマルジョンタイプのものを起泡化(界面活性剤)で泡状にしたもの。
主に水分が多く含まれており、ムースの成分表示には、最初に水、そしてエタノールが続くものが多いです。
油性成分から出来ているワックス
ワックスは、油性成分を加湿溶解し固形化したスタイリング剤。
主に油分が多く含み、商品によってはファイバー(繊維)が含まれています。
これらの成分の粘度によってボリュームを抑える、束感を出すスタイリングが可能。
ムースとワックスには以下のような特徴・違いがあります。
ムースとワックスの特長一覧
セット力 | しっとり感 | 軽さ | 束感 | ツヤ | |
ムース | △ | △ | ◎ | × | ○ |
ワックス | ◎ | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
続いて、ムースとワックスの特徴と使い方をより詳しく説明していきます。
パーマにおすすめなのはムース、その特徴と使い方

ムースの特徴
ムースには水分が多く含まれているためパーマを出す効果があり、通常、パーマへアのウェーブを簡単・綺麗に出す目的で使われます。
ムースにはソフト・ハード・ウェットなどの種類があり、セット力(固める力)はあまり高くないものが多く、ワックスに比べると束感は出にくいです。
ショートヘア主体のメンズ向けの製品には、ヘアスタイルをキープするため固める成分が配合されているムースも。
ムースはハードでもヘアスプレーやジェルのように固めるわけではないので、軽い質感の仕上がりを求めている方に選ばれています。
油分が少ないためベタベタしにくく、軟毛・猫っ毛、毛量が少ない方にもおすすめ。
その他、ムースには髪に艶を与える役割も◎
強いくせ毛の場合、パサつきを夕方まで艶やかにすることは難しいため、ムースとワックスを併用すると良いでしょう。
ムースの付け方
- 髪の毛を軽く濡らし、ムースを手のひらに出す
- パーマをかけた箇所にムースを揉みこみながら付ける
- 自然乾燥
ムースは多くつけすぎてしまうと、髪がぺたんこに潰れてしまうこともあるのでご注意ください。
ムースの使用量目安
- ショートからボブ:ゴルフボール1~2個分
- ミディアム~ロングヘア:ゴルフボール3~4個分
ムースの使用上の注意点
- ムースは基本的にはコールドパーマなどの濡れたらカール・ウェーブが出るタイプのパーマをかけた髪に使用しましょう、デジタルパーマは乾くとパーマが出るタイプのパーマのため、ムースでのスタイリングは向いていません。
- 濡れている髪の毛にアイロンやコテを当てると髪に大きなダメージを与えてしまうので、ムースをつけた後にアイロンやコテを使用したヘアセットは避けましょう。
ショートヘア、ボブの部分的なスタイリングにはワックスを

ワックスは油分が多く含まれているため、商品によっては髪の保湿をしたり、指通りをよくしたりできるスタイリング剤です。
ムースより束感を出したり、今っぽい濡れ髪感をだしたり、毛先に動きを出したりするのに向いているため、特にショートヘアやボブなどの短め髪型のヘアセットにおすすめ。
ワックスには様々な種類があり、自分の髪質や髪型に合わせた商品を見つけることが出来ますが、どれを選んだらいいのかわからない、と迷うこともありますよね。
以下にそれぞれのワックスの種類や特徴、使い方を一覧表でご紹介します♪
ワックスの種類・特徴
セット力 | ケア効果 | 軽さ | 束感 | ツヤ | |
ファイバー | ◎ | × | ◎ | 〇 | △ |
マット | ◎ | × | 〇 | 〇 | × |
ヘアバーム | △ | ◎ | 〇 | △ | 〇 |
ジェル | 〇 | × | × | × | ◎ |
グリース | 〇 | × | × | × | ◎ |
ワックスの中で、レディース・メンズ共に今人気なのがヘアバームタイプのワックス。
天然由来成分で作られているものが多く、髪の毛を労わりながらスタイリングできるのも人気の理由のひとつ。
髪の毛を立たせたりスタイリングをキープしたりする力は他のワックスより弱いものの、しっとり髪をまとめてくれるのでナチュラルなヘアセットにおすすめです。
編集部セレクト
(ヘアバーム ソフト)60g
3,500円(税込)〜
ヘアバームタイプのワックスの付け方

女性の場合
- ワックスを指先に適量取る
- 手のひら・指の間に伸ばす
- 毛先中心から付けたあと、手ぐしを通すイメージで全体になじませる

男性の場合
- ワックスを指先に適量取る
- 手のひら・指の間に伸ばす
- 髪に揉みこむように付ける
油分の多いワックスは、過剰につけすぎてしまうとベタっとした髪になってしまうことも。
最初は指先にほんの少しだけ取って、それを手のひらに広げてから、毛先に一番多くなるようにバランスを見て付けていきましょう。
前髪は手に残った少量のワックスでセットするのがおすすめです。
ワックスの使用量目安
製品や髪の毛の長さ・量によっても異なるので少しずつ調整しながら自分にちょうど良い量を見つけてくださいね。
ワックスの用途
- パーマ、天パのヘアセット(仕上げにワックスをつけてツヤを与える、束感やまとまり感を出す)
- くせ毛・ダメージ毛にツヤを出す
- 枝毛・切れ毛のケア
- ボリュームを抑える
- まとめ髪
- ウェットスタイリング
ムースとワックス、髪型や髪質との相性と併用するときの注意点
2つのスタイリング剤の特徴や基本的な使い方が分かったところで、自分の髪質や髪型にはムースとワックス、どちらが相性が良いのかチェックしていきましょう。
場合によってはムースとワックスを併用することもありますが、その際の注意点についても解説します。
髪型や髪質、タイプ別の相性リストからムースorワックスのどちらを使うか考える
ムースとワックス、髪型別の相性リストはこちらです。
ムース | ワックス | |
ショートヘア | △ | ◎ |
ショートボブ | △ | ◎ |
ボブヘア | 〇 | 〇 |
ミディアムヘア | ◎ | △ |
ロングヘア | ◎ | △ |
ワックスは束感を出したり、髪の毛を立ち上げたり、毛先に動きを出したりするのに向いていますから、ショートヘアの方・男性にもおすすめ。
ムースは伸びが良いため使いやすいので、ロングヘアの方でも効率よくヘアセット可能。
ムースはその伸びの良さから、髪の毛が短めの方の場合は頭皮にまでついてしまうこともあるため、ムースを用いたヘアセットの際には付け方に注意しましょう。
髪質から見るムースとワックスの相性リストはこちら。
ムース | ワックス | |
くせ毛 | △ | ◎ |
猫っ毛・軟毛 | 〇 | △ |
剛毛・多毛 | △ | 〇 |
髪質で選ぶなら猫っ毛・軟毛はムース、くせ毛や剛毛ならワックスがおすすめです。
理由は、ムースとワックスの水分量の違いです。
梅雨や夏の雨の多い時期に湿気でスタイリングが崩れてしまうという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
髪の毛は水分でうねったり広がったりします。
特にくせ毛やダメージ毛は水分を吸収しやすいため、うねりや広がりを防ぎたい、まとめ髪をしたいといった場合には、ムースよりワックスの方がおすすめです。
オイルは蒸発しにくいため、長い時間ツヤ感やしっとり感をキープしたい場合もワックスをお使いいただく方が良いでしょう。
髪の毛にボリュームを出したい、パーマを戻したいといった場合にはムースの方がおすすめなので、自分の髪質や希望に合わせて使い分けましょう。
くせ毛さんにおすすめ、うねりがみもしっとりまとめる

(ヘアバーム ハード)60g
3,900円(税込)〜
ムースとワックスを併用する場合の注意点
パーマをかけた髪型のヘアセットにぴったりなムース、さらに以下のようなヘアスタイルを目指す場合はワックスとの併用がおすすめです。
- 束感のあるパーマにしたい
- ツヤ・しっとり感をもう少しキープしたい
ムースは水分量の多いスタイリング剤、水分は髪の毛に潤いを与えますが、蒸発するのも早いため、ツヤ感・しっとり感が続かないことも多いもの。
髪の毛にツヤ・まとまりが欲しい場合は、オイル成分がたっぷり配合されているワックスとムースを組み合わせて使用すると良いです。
ムースとワックスを併用する時の順番、使い方をご紹介します。
- パーマをかけた部分にムースを揉みこみながら付ける
- 自然乾燥
- ワックスを毛先中心に付ける
ムースには油分が少ないため、仕上げにワックスを付けるとセット力が増し、パーマをより綺麗に出せます。
ムースとワックスの違いと使い方と一緒に使う時の注意点、まとめ
人気のスタイリング剤、ムースとワックスの違いや髪質、髪型との相性や使い方について美容師さんに解説してもらいました。
髪の長さや髪型、髪質に合わせてどちらを使えば良いか、または一緒に使ってヘアセットした方が良いかをお分かりいただけたのではないでしょうか。
今のヘアスタイルにぴったりなスタイリング剤をお選びいただき、おしゃれな髪型を楽しんでくださいね。
9,300円(税込)〜
9,300円 (税込)
9,800円 (税込)