
こんにちは。原宿で美容院MAXを経営している美容師の戸来です。
キレイになろうと、せっかく美容院でカットをしてもらったのに…
「毛先がスカスカになって、髪が傷んで見えるようになってしまった。」
「髪の毛先がバラバラで、だらしない印象になっちゃった!」
このような“残念な経験”をしたことがある女性も多いでのはないでしょうか。
多くの女性が心の中で求めている髪型は、毛先がバラバラなスタイルでもなく、スカスカな髪型でもありません。
いい感じに軽く垢抜けた印象の、素敵な髪型を求めているはず。
それなのに、思っていたのと違う仕上がりにされてしまうことも珍しくないですよね…。しかも、まとまりも悪いとなると気分もガタ落ち。
そこで今回は「毛先がバラバラ」「スカスカになってしまう」その原因と対策について、わかりやすく解説していきます。
目次
毛先がバラバラ、スカスカになる原因とは?
枝毛や切れ毛が気になっている方をはじめ、毛量が多い方の場合、気になるお悩みだけにフォーカスしてオーダーしがちです。そのため、カットの際にはとりあえず「毛先を梳いてください!」とお願いしたくなるもの。
その気持ちは、よーくわかります!だって、気になるから美容院に来たんですもんね。
また、毛先をガッツリ梳かないと、市松人形やこけし、ヘルメット状態のような“野暮ったい雰囲気”になってしまうイメージもあるでしょう。
そして、自分にとって本当に似合う髪型がわからない方が多いのも現実。
「毛先を梳いて軽くした髪の毛は清潔感もあって女性らしいし、きっとモテるはず」だと勝手に思い込みをして、とりあえず消極的で曖昧なオーダーをしがちです。
しかし、毛先さえ軽くすれば良いというものではありません。
本来、髪型はその人の等身(全体)のバランスで「似合う」「似合わない」「素敵」「ダサい」など、印象が大きく変わってきます。
毛先がバラバラになる原因はカット法と髪の傷み
毛先がバラバラになってしまう原因は、カットの仕方と髪の痛みにあります。
冒頭にご紹介した、毛先がバラバラになってしまった女性の髪を、できるだけ長さを変えずにカットのみで整えました。
いかがでしょうか。見比べると、違いは一目瞭然ですよね。
最初の画像に戻るのが面倒な方もいると思うので、わかりやすく並べてみましょう。
こちらのお客様は「出張カット」で切っているため、もちろん高級なシャンプーやトリートメントなどもしていませんし、ブローすらも一切していません。
正真正銘、カットだけの仕上がりです!
みんなから「髪、すごく綺麗になったね」と言われるレベルの変化ですよね。
また、カットの方法以外にも「髪の痛み」や「セット剤が髪に合っていない」という原因も少なくありません。
こちらは来店直後にただMAXヘアオイルをつけただけ。
髪のまとまりとツヤがワンランク上がっているのが、おわかりいただけるかと思います。
ちなみにBEFOREは、前回MAX戸来がカットをしてから4カ月も経過している状態です。お客様自身がご自宅でセットしてきたままのスタイルを撮影させて頂きました。
つまり。
正しいカットをして、ご自分の髪と相性がいい成分のセット剤を使えば、今よりもずっと髪を綺麗に見せることができるということなのです。
次にこちらをご覧ください。
before(毛先がスカスカで、表面の毛もボワボワ浮いてしまっています。)
after(カットしてドライヤーで乾かしただけです。)
いかがでしょうか、もちろんサロントリートメントなどはしていません。
カット後にほんの少量のプリュムワックスで仕上げただけですが、見違えるようなツヤと適度なまとまり感が復活していますよね。
カットは、髪の長さを変えるだけでなく「艶感」や「まとまり」などの、見た目にも大きな影響を与える大事な工程。さらに、髪質に合ったスタイリング剤を使用することも、美髪をキープするためには非常に重要なポイントです。
切れ毛・抜け毛はバラバラ毛先の大きな原因
実は、髪の毛って1日に50本~100本ほど抜けるんです。
そのため、美容院で毛先を揃えて切ったとしても2か月も経過すれば、誰でも毛先がバラバラになってきます。
また、抜け毛だけではなく「切れ毛」も髪がスカスカになってしまう原因のひとつ。
こちらのお客様は縮毛矯正をかけていて、毛先が傷んでいる状態です。
スカスカになってしまった髪を直すためには、毛先を切って地毛を伸ばして…というサイクルを繰り返しながら、時間をかけて元通りにしていく必要があります。
次に、カットで毛先がスカスカになってしまった、こちらの女性。
これまでは、髪の毛の動きを出すために軽くしてもらっていたようなのですが、傷んで見えるので「まとまる毛先」「艶を出しやすいデザイン」に変更。
特に、「バラバラになった毛先をまとまり良くしたいけど、できるだけ長さを切りたくない」といった女性の場合には、長期的に直していくことをオススメしています。
毛先がバラバラ、スカスカにならないための対策
美容院に行って、自分が思い描いたような「イメージ通りの髪型」になるには、どうしたら良いのか?どのようにオーダーすれば、担当美容師さんの気分を害さないように伝えられるのか?
このように悩んでいる女性は多いでしょう。美容師さんに遠慮して、上手く伝えられないことも結構あるかもしれません。
しかも、一度スカスカにされた経験があると尚更、慎重になるもの。もちろん、そのときに毛先がバラバラ・スカスカになった理由も必ずどこかにあるはずです。
ここでは、もう二度と失敗しないための対策についてお話していきたいと思います。
デザイン性を重視して毛先をバラバラにすることも?
お気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、デザイン性を考慮して、あえてバラバラの毛先にする場合があります。
例えばこんな髪型です。
毛先がスカスカですよね?
このように、芸能人の髪型のほとんどは毛先がバラバラです。
今時、シャンプーのCМに出てくるような「パッツンの毛先の髪型」をしている女性はごく稀です。(日本人形みたいになってしまいます…)
しかも、毛先がまとまりすぎているとはっきり言ってダサいです。昭和感が満載の、古くさい印象を与えてしまうんですよね…。
とはいえ、下手にスカスカにされて後悔するような事態になると、元に戻すまでに相当な時間がかかります。そのため、不安な場合には「まとまり重視の髪型」をオーダーした方がベターでしょう。
梳く、段(レイヤー)といった技術は、正直難しいものです。
極論ですが、一切梳かないカットなら1000円カットで十分!
とはいえ、女性なら「おしゃれでまとまる髪型」にしたいですよね。
そこで、次の項では「まとまりも良く、動きが楽しめるヘアスタイル」の正しいオーダー法をご紹介します。
曖昧は禁物!具体的なオーダーをしよう!
まず基本は、なりたいイメージの髪型の「切り抜き」を持っていくこと。スマホに保存した画像や写真でもOKです。
「私はこんな髪型が好きなんです」「こんなイメージになりたいんです」と、美容師さんに対してしっかりとプレゼンすることが大事。
ただし、注意して欲しい点がひとつあります。
最近の雑誌やネットのヘアカタログでは、髪のセットを一切していないスタイルを見かけることがほとんどありません。
必ずコテやアイロンなどを使用し、「プロの技術」で綺麗に仕上げを行っている髪型が掲載されているので、素人が同じものを安易にオーダーして、自宅で再現するのは正直困難でしょう。…というか、絶対に無理だと思います。
当然、ヘアカタログのモデルさんとは髪質も違います。
そのため、よくある「美容院ではいい感じだったのに、翌朝から全然まとまらない」なんてことにもなりかねません。
切抜きやスマホに保存した写真を見せて「こうしてください」と丸投げするのではなく、具体的なオーダーをすることが何よりも重要です。
思い通りのヘアスタイルをオーダーする方法
それでは、さっそく「具体的なオーダーの仕方」をご紹介していきます。美容師さんにそのまま伝えればOKなので、オーダーが苦手な方はぜひブックマークしておいてくださいね。
オーダー方法①乾かした状態を確認
「乾かしただけで毛先がバラバラ、スカスカになっていない後ろ姿にしてほしい」
仕上げてもらう前に、ドライヤーで乾かしただけの状態を必ず見せてもらいましょう。自宅に帰ってから自分が乾かすと、どのような感じになるのか確認しておくべきです。
カットカラーだけでこの仕上がりです!
オーダー方法②動きのあるレイヤー
「巻いてもふんわり動くようにレイヤーを程よく入れて欲しい」
ただ毛先が揃っていればイイわけではないですよね。
市松人形みたいな重くて野暮ったい髪型にならないよう、巻いたときに動きが出やすいようにレイヤーを入れてもらいましょう。
オーダー方法③梳きすぎないで様子を見る
「梳いてほしい!!でも梳きすぎないでスカスカになってしまうと私の髪の毛はパサパサになってしまうから様子を見てカットをしてほしい」
毛量が多い方の多くは、「軽くしてください」「梳いてください」とだけ伝えてしまうことがあります。しかし、これだけしかオーダーしないとスカスカになるまで梳かれてしまうことも珍しくありません。
また、一度スカスカになってどうにもならない状態に陥ってしまったことがある方は「梳く美容師は下手」と、梳きバサミを使う時点で拒絶反応が出ることも。
物は使いようですから、その美容師さんがどのように梳きバサミを使うのか、様子を見ながらチェックしていくのが安心でしょう。
もっと知りたい方は、『梳きバサミを使う美容師は下手?』で詳しく解説しているので、ぜひご覧くださいね。
オーダー方法④生活スタイルを伝える
「普段は忙しくてセットをしない。毛先がスカスカになってしまうと、いい感じにコテ巻でふんわりさせることができないから困る。だから、セットをしなくてもまとまる感じで、結んだときに結んだ束も小さくしたい。ドライヤーに時間を使えないから、乾かす時間を少しでも時間短縮させたい」
などなど。
美容院でオーダーをするときは自分の好みだけではなく、「生活スタイル」を一緒に伝えることが大切です。恥ずかしがる必要はありません。
また、髪の毛を伸ばしている女性は、美容師さんにオーダーするとき「長さをできるだけ切らないで、毛先を整えてください」とオーダーしがち。
しかし、これは一言少ないのです。本来であれば、もう少し詳しく希望を伝えないといけません。
できるだけ切らないように毛先を整えることは可能ですが、その「できるだけ切らないで」の長さがわかりません。1センチ整える(切る)だけで髪型は大きく変わります。
また、毛先の整え方(梳くのか、梳かないのか)も不明です。
ちなみにMAXでは、ただ長さを整えるだけでなく「毛量調節(梳く)」も行っています。
毛先がバラバラになってしまったからといって、市松人形みたいにパッツンと揃えてもらっていませんか?
残念ながら今時こんな髪型をしている人はいません。
実際、毛先がスカスカになって悩んでしまっているお客様に対して、美容師さんは「市松人形」みたいな一切梳かないカットをしがちです。しかし、これは美容学生でもできることで、そのようなカットを必要としているなら1000円カットに駆け込めばOK。
そしてこうオーダーしてください。
「一切梳かないで、毛先を2センチ以内で整えてください」と…。
まとめ
今回は「毛先がバラバラ」「スカスカになってしまう」その原因と対策について、お話してきました。
髪がスカスカになってまとまらなくなってしまう方に向けて、『ロングヘアは毛先を揃えるカットが重要』でもご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
例えば、これから結婚式を控えていて「できるだけ傷めないで長さをキープor伸ばしている最中」なのにも関わらず、スカスカの毛先になってしまったら…元通りに直すまで、かなりの時間がかかってしまいます。これは一大事です。
ちょっと整えるだけのカットであっても、慎重に美容院を選ぶことをオススメします。そして、曖昧で消極的なオーダーは避けることが重要。
繰り返しになりますが、無難な一切梳かないカットなら1000円カットに行けばいいんです。
以上。毛先がバラバラ、スカスカになってしまう原因や対策、美容院での正しいオーダー法についてご紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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