髪の毛をつくる「コルテックス」って何?毛髪診断士が解説

髪の毛をつくる「コルテックス」って何?毛髪診断士が解説

髪の毛について調べていると「コルテックス」というワードを見かけることってありますよね。

コルテックスとはどういうものなのでしょうか?毛髪診断士が知っておきたい「髪の基礎」を解説します。

どうして髪の毛にはコルテックスがあるの?

ダメージを受けたときのにどうなるの?

そんな疑問と髪のケア方法も一緒にご紹介します。

\ 監修はこの人 /
    毛髪診断士 遠藤 颯
    • 毛髪診断士
    • 遠藤 颯
    • 毛髪診断士。Webメディアにおいて6年間記事監修を務める。
      10点以上のヘアケア&美容アイテムのプロデュース経験も。

髪の毛の基本構造とコルテックスの役割

コルテックスについて知るためには、まず髪の毛全体の構造を把握しましょう。

髪の毛には「芯」としてメデュラと呼ばれる組織があります。

その周囲を繊維状のタンパク質であるコルテックスが覆うように取り囲み、最も外側にウロコ状のキューティクルと呼ばれる組織が詰まっています。

毛髪は大きくキューティクル、コルテックス、メデュラの3層に分かれる
毛髪は大きくキューティクル、コルテックス、メデュラの3層に分かれる

髪の毛の実に8割から9割を占めるコルテックスマクロフィブリル、髪の色を決めるメラニン色素NMF(Natural Moisturizing Facotor、天然保湿因子)によって構成されており、CMC(Cell Membrane Complex、細胞膜複合体)によって横に並ぶコルテックスとつながっています。

マクロフィブリルはミクロフィブリル(フィブリル「ケラチン繊維」4本と間充物質で出来たもの)がシスチンを含むマトリックスタンパク質を間充物資として集まったものであり、非ケラチンタンパクを間充物質としてコルテックスを構成しています。

シスチンはアミノ酸とシステインが結合したシスチン結合(ジスルフィド結合)で結びついたアミノ酸であり、髪の硬さや柔軟性を出してくれます。

毛髪の内部構造の詳細図
毛髪の内部構造の詳細図

コルテックスの成分は、ケラチンと呼ばれるたんぱく質や脂質、水分で出来ています。ケラチンにはシスチンが多く含まれており、髪を健やかな状態に維持するための大切な成分です。

親水性の高いオルトコルテックスと疎水性の高いパラコルテックス

くせ毛と直毛はコルテックスの分布に違いがあります。

くせ毛は湿気により髪がうねりやすいですよね。

その原因はコルテックスの配置によるものと言われています。コルテックスには以下の2つが存在します。

  1. 水分を吸収しやすい親水性のオルトコルテックス(O-コルテックス)
  2. 水分を吸収しにくい疎水性のパラコルテックス(P-コルテックス)
2種類のコルテックス
2種類のコルテックス

この2つのコルテックスの違いはシスチンの含有量。親水性の高いオルトコルテックスは多くのシスチンを含んでおり、パラコルテックスは水を含みにくい疎水性、シスチンの含有量が少なめです。

直毛の場合、この2つのコルテックスがバランスよく配置されていることで髪がうねることはなく、雨の多い梅雨や夏でもゴワつきや大きなうねりが出ることはありません。

くせ毛の髪質だと2つのコルテックスがアンバランスに配置されていることで髪のうねりが出て、湿気が高い時期には偏っているオルトコルテックスが大気中の水分を吸収して髪が膨張します。

その結果、髪に指を通すとゴワゴワしたり強いうねりが出てしまうため、髪がまとまらなくなります。

コルテックスは髪がダメージを受けるとどう変わるの?

傷んでいない髪と傷んだ髪
傷んでいない髪と傷んだ髪

健やかな髪の毛ならコルテックスは髪内部にあってキューティクルに守られているためダメージを受けることがありません。

しかし、たとえばダメージが大きなパーマや縮毛矯正、ブリーチやヘアカラーなどの施術を受けると髪にはダメージが蓄積します。

髪の毛が傷んでしまうとコルテックスにはどのような変化が起こるのでしょうか。

マトリックスタンパク質が流出してコルテックスは弱くなる

パーマやヘアカラーなどの施術のほか、日々の生活においても、髪の毛はダメージを受けます。

具体的には、髪表面のキューティクルが開いて剥がれ落ち、内部から水分やタンパク質が流出してしまいます。

ミクロフィブリルの間充物質であるマトリックスタンパク質は髪に柔軟性を与えるシスチンを含んでおり、流れ出てしまうと髪の毛は弾性を失ってしまいます。

タオルやブラッシングによる摩擦でも髪は傷むことがあり、切れ毛や枝毛の原因になります。

イオン交換能の低下が起きて、トリートメント成分が吸着しにくくなる

毛髪がダメージを受けると「イオン交換能の低下」が起きます。[1]

それはつまり「トリートメントの付きが悪くなる」ということ。そうなると、インバストリートメントだけでは指通りの良さを実感できないことも。

そんなときは、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)を使って、髪の保湿&ダメージを補修してあげると良いでしょう。

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パーマの薬剤による混合二硫化物生成

パーマは薬剤でシスチン結合を一度切断し、再度くっつける方法です。

しかし、切断されたシスチン結合がくっつかない状態のままでいると、毛髪内部のシスチン結合残基にチオグリコール酸が混合二硫化物として固定化されてしまいます。

健康毛であれば存在しない二硫化物が混合した毛髪は弾性を失い、ぎわつきの原因になります。

コルテックスを自己再生する能力は髪の毛にはない

髪の毛は爪と同じようにケラチンタンパク質で出来ているため、怪我をしたときの肌のように自己再生能力を持っていません。

ダメージを受けてしまった髪には、流れ出た水分やタンパク質を補ってあげなければ、パサつきが進行し続けます。

「髪がパサつくようになったかも」と感じたらできるだけ早いタイミングでダメージケアを始めて髪にうるおいを。

内部から補修して健やかな状態を維持しましょう。

流出した水分やタンパク質を髪に補給する

トリートメントでヘアダメージを補修する
トリートメントでヘアダメージを補修する

ダメージによって失ってしまった水分やタンパク質を髪に補給するには、ヘアトリートメントの使用が有効です。

ここからは、傷んでしまった髪にタンパク質を浸透させてダメージケアするトリートメントをご紹介します。

傷んでしまった髪に使われるケラチントリートメント

プリュムトリートメントをしてスタイリングした髪
プリュムトリートメントをしてスタイリングした髪

毛髪の大部分を占めるコルテックス。

そのコルテックスはケラチンというタンパク質やアミノ酸によって作られています。しかし、髪の毛は傷んでしまったら自己再生ができません。

そこで、ケラチン配合のトリートメントで傷んだ髪を補修し、ハリ・コシを付与してあげます。

ケラチントリートメントに関する詳細は「ケラチントリートメントとは?」をチェック!

洗い流さないトリートメントを取り入れる

キューティクルおよびコルテックがひどく損傷した毛髪は、インバストリートメント(洗い流すトリートメント)による指通りの良さを実感できないことがあります。

なぜなら、「洗い流すトリートメント」はカチオン型の界面活性剤を髪に付着させて指通りを良くし、その他不要なものはお湯で洗い流す仕組みだからです。

そのような場合は、物理的にダメージ部分に補修成分が留まりやすい「洗い流さないタイプのトリートメント」を取り入れると良いでしょう。

洗い流さないトリートメントの種類

髪の毛のほとんどを占める「コルテックス」とは?解説まとめ

インターネットで髪の毛について調べていると良く目にする「コルテックス」。

その概要と詳細について解説しました。

最後にコルテックスについておさらいをしましょう。

髪の毛の芯であるメデュラ、その周りにあるタンパク質で出来た繊維がコルテックス。

コルテックスは髪の柔らかさ、弾性を保つためのもので、その外側にあるキューティクルが守ってくれています。

パーマ、ヘアカラーといったダメージのある施術を受けると、キューティクルが開いて剥がれ落ち、コルテックスを含む髪内部からは水分、タンパク質が流出。

髪は乾燥してパサパサの状態になってしまいます。

自己再生機能のない繊維で出来た髪の毛は、皮膚のように治ることはありません。

傷んでしまった髪はトリートメントを使って内部から補修してあげる必要があります。

ぜひおうちヘアケアを取り入れて、美髪を維持しましょうね。

参考文献

 [1]新ヘア・サイエンス 第2版

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